小説 花 旅のエッセイ

朝比奈颯季_AsashinaSatsuki

閖 純米

更新日:

 名取市の古墳への旅の途中で仙台場外市場に行き、酒屋「みちのく酒紀行」にて名取市閖上の日本酒を買った。宮城を中心にして東北のたくさんの日本酒が置いてあり、どれにするかとても迷ったが、東日本大震災の復興の後押しと、名取市の古墳への旅だったので名取市の酒を飲みたいと思った。

 まずは香り取りをする。うん、キレのある純米の香りが鼻孔をくすぐる。お猪口に注いだ酒を含むと、軽やかに口の中に旨味と甘味がひろがる。それから喉に落ちていくと、スーッと喉周りに心地よい辛熱さを感じた。その後に鼻先にふわ〜っと香りが戻って来た。いい酒だ。名付けるなら、閖上の貴公子。

酒一句: 白鳥の 声澄み渡る 名取川 波満ち引きて 命生まれり
製造者佐々木酒造店
生産地宮城県名取市
種類純米酒
アルコール分15度
精米歩合60%
容量720ml
酒味評価(私の個人的な指標項目:10x10=100満点)
合計 70/100
--
飲前香 7/10
芳香さ 7/10
麹香り 6/10
から味 8/10
うま味 8/10
なご味 8/10
沁み入 5/10
戻り香 7/10
あと味 7/10
余韻さ 7/10

 今回の純米酒は安房国は千葉県への旅で買った「仁勇」。香取郡は神崎町の酒蔵のお酒です。安房はアワと読むが、元々は徳島の阿波と同じアワ。阿波から船団を率いてきた阿波忌部氏が故郷の名前をそのまま付けたのが始まりと言われている。 713年に好字二字令により「安房」という字が当てがわれたという歴史があるが、何故、阿波ではなく安房にしたのかは、天皇家の出自に関する秘密をカモフラージュするためとも言われている。さて古代史の話はここまでにして酒の話に戻ろう。

 トクトクとお猪口につぐと軽やかな香り。口に含むと、最初に辛さと熱さが口蓋の上方にぱーっと広がった。その後、舌の上のにトロ味のある仄かに甘い余韻を残しつつ、ゆっくりと引いて行く感じが爽やか。とてもうま味がある酒だ。

酒一句: 白鳥の 声澄み渡る 名取川 波満ち引きて 命生まれり
製造者鍋店株式会社
生産地千葉県香取郡神崎町
種類純米酒
アルコール分15度
精米歩合70%
容量720ml
酒味評価(私の個人的な指標項目:10x10=100満点)
合計 65/100
--
飲前香 5/10
芳香さ 7/10
麹香り 6/10
から味 7/10
うま味 8/10
なご味 6/10
沁み入 6/10
戻り香 5/10
あと味 7/10
余韻さ 7/10

  • B!